正直この指揮者Sylvain Cambreling (シルヴァン•カンブルラン)を一度も聴いたことがなかったが、今まで良い6番がなかったことと、オケがSWR S.O.ということで買ってみた。
6番はブルックナーの交響曲の中ではあまり人気のない曲。4番、5番や、その後の7番〜9番と比べて曲のデキも一段劣るというのが一般評。したがってどの指揮者もあまり録音しない。しかし第2楽章Adagioは、個人的には他のどのブルックナーのAdagioよりも美しいと思っている。
そんな曲でのCambrelingの指揮だが、一言で言うと衝撃的。
一瞬ブルックナーの曲には聞こえなかった。モチーフをひとつひとつ積み上げて、荘厳な大伽藍を作り上げるのが、ブルックナー演奏のひとつの方法論だったのだが、このディスクで聴けるブルックナーは、言ってみれば積み上げる作業を裏方に隠して、メロディだけを美しく歌わせる、そんな感じ。
ありなのか、なしなのかは別として、こんな演奏の方法があったのかと驚かされた。こうなると、同時にリリースされた4番、9番という超メジャー曲で、どのようなアプローチをしているのか、俄然興味が湧いてくる。
No comments:
Post a Comment